よくあるご質問
デジタル補聴器とアナログ補聴器は何が違うのですか?
デジタル補聴器とアナログ補聴器は音を処理する仕組みが違います。
アナログ補聴器は、マイクに入ってくる音を電気信号として扱い、増幅器が電気信号を増幅してスピーカーから大きくした音を出力するという仕組みです。調整器もついていますが、ボリュームコントロール、高/低域の出力を抑える機能、最大出力を調節する機能などのシンプルなものです。アナログ補聴器は、入ってくる音を素直に増幅するため「会話も雑音も一緒に大きくなってうるさい」「音量を上げるとすぐにハウリングする」「小さい音を聴こえるように調節すると大きな音が響きすぎる」などという問題点がありました。
一方、デジタル補聴器はマイクに入ってくる音をデジタル信号(0と1の2進数)として扱います。デジタル信号処理が電気信号(アナログ信号処理)に比べて特に優れている点は、演算ができるという部分です。デジタル補聴器では、外から来る音(アナログ)をまずA/D変換(アナログ/デジタル変換)して、0と1の情報に置き換えます。その後、DSPという半導体チップで演算が行われた後、最終的にD/A変換(デジタル/アナログ変換)されて演算結果の音をスピーカーから出力します。デジタル信号処理をすることで、「騒音を抑えて会話を強調する」「ハウリングを判断して打ち消す」「入ってくる音の大きさで増幅分を調整できる」などのアナログ補聴器には無いメリットが得られます。ただデジタル補聴器はアナログ補聴器に比べて複雑な処理を行う必要があるので、電池寿命はアナログ補聴器よりも短めです。
以前はアナログ補聴器が主流でしたが、現在ではデジタル補聴器が主流になっています。しかし、アナログ補聴器はデジタル補聴器に比べて音量感が強く、増幅もシンプルな分自然な音を届ける事ができるので、絶対的にデジタル補聴器の方がアナログ補聴器よりも優れているという訳ではありません。